
高橋由伸監督誕生
通算12年間でリーグ優勝7回、うち日本一3回。
輝かしい成績を残したジャイアンツの名将である原辰徳監督が退任された。
その後継者に選ばれたのは、監督候補として名前が挙がり続けた「昭和の怪物」ではなく、40歳の現役外野手だった。
マスコミも、こぞって「次は江川卓監督」と報道したが、確実だと思われた情報は、簡単に覆り、高橋由伸監督が誕生した。
来季の一軍コーチングスタッフ
監督 | 高橋由伸 | 元: 選手兼打撃(半ば強制的に引退となり残念) |
ヘッド | 村田真一 | 元: 総合コーチ |
投手コーチ | 尾花高夫 | 元: 二軍投手総合コーチ |
投手コーチ | 豊田清 | 2015年から一軍投手コーチを務める |
打撃コーチ | 内田順三 | 元: 二軍打撃コーチ |
打撃コーチ | 江藤智 | 元: 二軍打撃コーチ |
内野守備走塁コーチ | 井端弘和 | 元: 選手(由信と同級生で同時に引退、WBCの活躍は最高だった) |
外野守備走塁コーチ | 大西崇之 | 2011年から一軍外野守備・走塁コーチを務め、リーグ3連覇、日本一に貢献 |
バッテリーコーチ | 村田善則 | 元: 戦略室スタッフ |
なぜ江川氏が監督になれなかった?!
江川氏は今年の5月に還暦を迎えた。
引退後、これまでユニフォームに袖を通したことはなく、他球団からのオファーがあったかもしれないが、断ったと想像する。
野球人たるもの、せめて一度だけでも──そんな思いがあったはずで、今回が年齢的にもそれを実現できる最後のチャンスだった。
日本テレビの思惑
江川氏を推していたのは日本テレビ関係者だったといわれている。
視聴率が落ちている野球中継のテコ入れのために、自前の評論家である江川氏を送り込みたかった。
話題性抜群で、一連の“次は江川監督”報道に対する多くのファンも観たいと好評だった。
不運の問題発生
江川氏には、絶好のタイミングだったはずが、数々の不運が重なった。
野球賭博問題が10月初に発覚した。
巨人現役選手の福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)が関与していたことが発表された。
そして、セ・リーグ某球団の大物コーチが、野球賭博に関与しているという噂も出てきた。
そのコーチは、現役時代はパ・リーグの球団で活躍し、指導力はもちろんながら、独自の人脈を持ち、監督からも絶大な信頼を得ている人物だそうだ。
コーチが野球賭博に関与していたとなると、選手の時とはまったく違った大きな問題となる可能性がある。
それは野球賭博に絡む八百長の疑惑──つまり「平成の黒い霧事件」への発展の可能性もある。
この問題によって、巨人としては内部昇格しか選択肢がなくなった。
巨人のトラウマ
あれだけクリーンなイメージのあった原監督が、元暴力団員に1億円を渡していたという事件だ。
“身体検査”するとはいえ、リスクは最小限に抑えたい。
内部の人間でと考えるのは不思議なことではない。
さらに事件が解決したとしても、巨人としては今回のスキャンダルによる膿を出し切り、新しく生まれ変わったことをアピールする必要がある。
空白の1日事件
江川氏のネームバリューは計り知れないが、“昔の名前”であり、“空白の1日”事件で悪役になった江川氏に爽やかなイメージはない。
これは31年前の話である。
ドラフトで二度の指名を拒否して巨人への入団を望んだ「怪物」江川卓投手は、野球協約の「空白の一日」という盲点を突いて、巨人と契約を結んだ。
どう見ても巨人のゴリ押しで、メディアや世論は騒然となった。
ドラフト会議を欠席した巨人に対し、他球団は江川投手をドラフトで指名する形で対抗した。
交渉権を得たのは阪神だった。
しかし、江川投手は一度も縦じまのユニフォームを着ることなく巨人に移籍する。
巨人と阪神の間でトレードが成立したのだ。
阪神は江川を巨人に出す見返りに、当時のエース、小林繁投手を獲得する。
人気球団同士の談合決着ともいえ、騒ぎはさらに大きくなった。
名門球団のエゴに翻弄されながら、けなげに運命を受け入れるヒーローであり、巨人への入団会見の席で、「自分さえよければ、人はどうなってもいいのか」と詰め寄る記者に、「そう興奮しないでください」と「うそぶいた」江川投手はダーティーなアンチヒーローだった。
余談
江川投手はストレートとカーブの2つで主に大活躍した投手。
カーブ以外有効な変化球を持たなかった江川は、プロ入り以後は投球術で打ち取るテクニックを覚えている。
1983年に肩を痛めてからはスライダー系の変化球を投げるようになり、1985年頃から投げ始めた「相手の腰を引かせるスライダー系のボール」コシヒカリが話題になり、本当にコシヒカリが贈られてきたエピソードがある。
このことに味をしめた江川は、今度はメロンを貰おうと「相手のマスク(顔)をメロメロにしてしまう顔の前を通すボール」マスクメロンを開発している。
まとめ
球界の盟主であるジャイアンツが、監督交代のタイミングでスキャンダルに見舞われた。
アンチヒーローだった江川氏のイメージは、いまだに払拭されておらず、若く爽やかなイメージの高橋監督が選ばれた。
個人的は、今期も大活躍してくれた高橋由伸選手でいてほしかった。
出典:number.bunshun.jp、news-postseven.com
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