
現代では利用者の減った腕時計
少し前までは、腕時計は社会人の必需品と言われていました。
外出先で時間を確認するのに、それ以外の方法はなかったからです。
携帯電話・スマートフォンが台頭するまで、かなりの長い期間、腕時計は人々にとって必需品であったのです。
現代では、主に若い世代を中心として、腕時計をあえて購入する、持ち歩くという層は減少傾向にあります。
時間を確認するだけであればスマートフォンで済ます、という層が増えたためと、用途の同じものをあえて身に着けたりしない、というある意味合理的な判断をするようになったためでしょう。
再注目アイテムとなった腕時計
しかし一方で、こうしたスマートフォンがほとんどすべての人々の手元にあるようになってから、逆に腕時計への注目が高まってきたという面もあります。
腕時計に求めるものは様々ですが、ただ時間を確認するためというよりも、「持っていること、身に着けていること」そのものに意味を見出すという方が増えているようです。
おしゃれな「ビンテージ腕時計」
その傾向が顕著に見られるのがビンテージものの時計です。
多くは1950~70年代に人気を集めたデザインがビンテージと呼ばれています。
こうしたビンテージを好む愛好家には、時計を選ぶポイントがいくつかあります。
たとえば文字盤や針の形、ビンテージらしい焼け具合などがそれで、ビンテージの愛好家は、それらのポイントを選びつつ、自分自身のファッションに合うような一品をチョイスします。
そして、革ベルトを付け替えたりして、自分のオリジナルな一品を作り上げるのです。
既製品は手軽に身につけることができますし、たとえば温度計や歩数計などの機能がついているものもあります。
材質も、落としても壊れたりしないよう、ガラスではなくプラスチック製のものを選ぶことができます。 これにはこれの良さがあるでしょう。
しかし一方で、ビンテージにはビンテージの良さがあります。
使い込めば使い込むほど味が出る革ベルトの色合いや、長い期間を経ても動き続ける文字盤や針は、持っている人の愛着を呼び起こすものがあります。
便利で効率的なものが溢れる今の世の中だからこそ、ビンテージの腕時計に注目が集まるのも、ある種理解できることです。